間違ったコストカットはかえって高くつく

こんにちは、モズークです。

安物買いの銭失いという言葉があります。
ある商品が安いからといって飛びついたら、値段相応の粗悪品で結局買わないほうがましだったという意味ですね。
見方を変えれば良い質の商品はそれなりの値段になるということです。
これは買い物をするときにはとくに気をつけていることです。

たまに安いスーパーで買ってみたら惣菜や精肉や野菜が、いつものスーパーのものに比べて美味しくなかった。
お買い得と思って買った安い服があっというまに伸びて切れなくなった。
安い店の食事はやっぱりアレだった、などいろいろあります。
値段だけ見て買ってしまい後悔するということは誰にでもあることです。

もちろんそれは、わたしたち個人だけでなく会社やお店が買う材料にもあてはまります。
今回はわたしのバイト時代の経験から、安易な材料のコストカットで失敗した例を書きます。

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写真の現像バイト時代

学生時代のわたしは写真の現像のバイトをしていました。
当時はデジカメはまだ珍しい時代で写ルンですや撮れっきりなんとかという、いわゆる使い捨てカメラの全盛期でした。

今の若い人にはピンとこないかもしれませんが、昔はコンビニや写真屋に使い捨てカメラを持っていって現像を頼めば翌朝にプリントされて帰ってくるというのが一般的でした。
コンビニや各写真屋で受付したフィルムは現像するために工場のような場所に一箇所に集められます。
夕方に集められたフィルムをまとめて現像し、翌朝までに写真をプリントしてまた送り返します。
そのためわたしは夕方から夜中にかけて日をまたぐ時間でバイトしていました。

フィルムカメラを使っていた方は覚えているかもしれませんが、20年前くらいの写真の現像はフィルムの現像代だけでプリントは無料というのが主流でした。
プリントが無料ということはおよそ500円の現像代にプリントの価格も含めなければいけません。
そんな価格ではわかりきったことですが薄利多売、コストと品質を下げていくしかやっていけなくなります。

わたしのバイト先は一応日本の大手感材メーカーの名前を冠していたので品質は悪くありませんでした。
しかしデジカメや写メが流行り始めると、使い捨てフィルムカメラ現像の入荷数は目に見えて減っていきました。
現像の量が減るということは売上が減るということです。
そのため売上確保のためバイト先の経営陣はプリントのペーパーの購入価格を下げるという決断をしました。

結論から申しますと、このペーパーの質を下げることは失敗に終わります。
ペーパーの価格を下げた結果、トラブルを招きムダな時間と労力を消耗することになります。

安易な材料変更は逆にムダな時間と労力を招く

いま街の写真やさんなどでデジカメプリントを頼むと、店の奥においてある大きな機械で焼き増しするのを見たことがあるかと思います。
わたしのバイト先にあった機械はあれの3倍くらいの大きさがあり、一気に大量のオーダーを処理できる機械でした。
軽自動車のタイヤくらいのペーパーのロールをセットし、フィルムを焼き付けたらベルトコンベアーみたいに流れてくるという大掛かりな機械です。

そんな大きなプリントの機械は質の良いペーパーを使用していたときは何も問題は起きずに好調でした。
しかしコストカットによりペーパーの質を落としたときにトラブルが続出します。

まず乳剤の管理が甘いのか色がおかしい、安定しないなどの問題が出ます。
さらに紙の質も悪いので機械にうまく流れてくれず、プリントの現像中で詰まるトラブルが頻発しました。
しかも紙が詰まったらいちいちプリントの機械を開けて詰まった紙を取り出し、異常がないかを調べて元に戻すという手順を踏みます。
もちろんその間は作業は中断になります。
時間でみればその間は全くムダな時間です。

ペーパーだって現像途中で光を当ててしまうとパーなので、もう一回プリントし直しになります。
そうなれば単純に1枚あたり2倍のコストがかかることになります。
せっかくペーパーの購入価格をさげてコストカットしたとしても時間と材料費からみたらマイナスになってしまします。

そんな状態で経営が上向くはずもなく、やがてバイト先は数名の経営陣を残して事業を縮小しました。
もちろんわたしのようなバイトは切られました。

わずかなコストカットでも慎重に

コストカットを決断したのは、普段現場にいない経営陣でした。
現場の弱い立場の従業員やバイトはその決定方針に逆らえません。
またコストカットによる現場のトラブルの報告は上がっていたにも関わらず、経営陣は材料をもとに戻しませんでした。
ただのバイトの立場から見ても、あまりにもお粗末な経営陣だったなと思います。

このことで学んだことは、コストカットといえどちゃんと検証し時間をかけて慎重に行わなければいけないということです。
適当に安い材料に変えれば単純に経費が抑えられ、売上が上がるというわけではないのです。

コストカットしたことでトラブルや消費者からの苦情があればすぐさま元に戻すという柔軟さも必要です。

というわけで今回は安いものには気をつけよう、というお話でした。

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