10回連載の『こんな会社の株を買え』のリンクをまとめてみました。暇な時にでも読んでいただけたら嬉しいです。
タグ: こんな会社の株を買え
【こんな会社の株を買え】Point10 | あなたがなにかを感じた会社
みなさんこんにちは、モズークです。
10回に渡って書いてきました『こんな会社の株を買え』もいよいよ最終回になりました。さて最後の記事は『あなたが何かを感じた会社』というテーマで書きます。
なんじゃそりゃ、最後は精神論的な話かいなと思われるかもしれません。しかしわたしは声を大にして言いたい。
「人間の直感を舐めるな!」と。
直感は潜在意識からのサイン
株式投資だけでなく人生における選択はすべて、最後は自分の直感に従って判断するしかありません。わたしは直感とは無意識下において、これまで積み重ねた経験や知識がはじき出したひらめきだと思っています。
スポーツ選手は膨大な時間を練習に費やすことによって、経験を積み重ねます。そうすることで瞬間的に次の判断を下すことができます。わたしのような素人の目からみたら、直感で動いているようにしか見えません。
長年運転してきたドライバーは事故が起こりそうな雰囲気を周辺状況から感じ取ります。曲がり角から人がとび出てこないか、いきなり前の車が急ブレーキで止まらないかなどを感じスピードを緩めます。これもいちいち頭で考えずに直感で行われます。
人間は生きている間に経験したことはたとえ忘れていると思われることも、潜在意識で覚えているものです。よく感が鋭いといわれる人は、自分の潜在意識からのサインに気づきやすいのでしょう。
やることをやったなら最後に直感が物を言う
四季報で業績の指標や経営状況を調べ、ネット検索や聞き込みで会社の評判を調べ、これなら株を買ってもいいかなという会社を選んだとします。そこでしばらく考えてください。
本当にこの株を買ってもいいものか、何か見落としはないか。最低でも数日、できれば数ヶ月は監視しながら自問自答しましょう。そうすることで潜在意識が勝手に情報を整理し、数値や文章ではわからないことが見えてきます。
このようにやるだけのことをやったなら、あとは気づきに任せてみる。そして自分の直感を信じて、その株を買うか買わないかを決断してください。
考えるな、感じろ
ブルース・リーは映画「燃えよドラゴン」でこう言いました。
「考えるな、感じろ」
最後に頼れるのは自分の勘しかありません。
ウォーレン・バフェットは投資先の株を買うか買わないかの判断に10分もかけないといいます。バフェットは常に何千、何万という会社の資料を読みあさり、常に株のことばかり考えています。
バフェットにとって株を買う買わないの判定は、ほんのすこし資料に目を通せば無意識にできるレベルになっています。まさに考えるな、感じろです。そこには一片の迷いもありません。
時間の空いているときは、常に会社を調べる癖を身につけてください。そうすれば自然と会社を見極める目が養われていきます。そしてその積み重ねがやがて習慣となります。そうなればあれこれ悩むことはなくなり、感じるように投資判断を下すことができるようになるでしょう。
まとめ
この10回にわたり『こんな会社の株を買え』で言いたかったことはとにかく自分で行動し判断することが大事ということです。
株を買うときには指標、業績、評判、経営陣の姿勢、ライバル会社など多方面から調査をする。調査の結果を熟考した上、買うか買わないかの判断は自分で行う。そしてその判断には自分で責任を持ち、成功も失敗も受け入れる。これができるようになって初めて一人前の投資家といえるでしょう。
わたしの書いた記事で、そのお手伝いができたのなら幸いです。ここまで読んでくださってありがとうございました。
「俺達の株式投資はこれからだ!!」
ブログ主の新しい作品にご期待下さい。
それでは投資を楽しんで!!
【こんな会社の株を買え】Point9 | 経営陣が真面目で誠実な会社
みなさんこんにちは、モズークです。
『こんな会社の株を買え』もいよいよ第9回、ラス前となりました。最後まで気を抜かずに頑張っていきましょう。
さて今回のテーマは『経営陣が真面目で誠実な会社』について書きます。
会社は誰に対して誠実であればよいのでしょうか。事業にお金を出資してくれた株主、そして事業にたいしてお金を払ってくれる消費者。主に会社の経営陣はこの二者に対して誠実でなければありません。
株主に対して誠実な経営陣とは
株主に対して誠実な経営陣かどうかを調べるにはどこをみればよいのでしょう。わたしの場合ですが以下の4項目を重視しています。
- 自社株買いをしているか
- ストックオプションを乱発していないか
- 経営の不振を隠さず発表しているか
- 粉飾決算をしていないか
上から順に説明していきます。
自社株買い
自社株買いは発行した株数を会社が買い取り、数を減らすことで間接的に株主の保有している株の価値を上げることです。
例をあげますと会社が100株発行していた場合、会社の価値を100で割ったのが1株あたりの価値です。会社が20株を自社株買いしたとすると、会社の価値を残りの80株で割ったのが1株あたりの価値になります。会社の価値を100万円だとすると1株1万円の価値が自社株買いした後は1万2千500円になったということです。
このように自社株買いは株の価値を上げ、株主の資産を増やす行為です。自社株買いを積極的に行う会社は株主の方向を向いている良い会社といえるでしょう。
ストックオプション
逆にストックオプションは株数を増やす行為です。ストックオプションとは役員や社員に報酬の一環として、ある時期に決められた金額で株を買う権利を与えることです。
例をあげますと、現在会社の株価が100円のときに1年後にこの会社の株を200円で買う権利を役員に与えます。1年後に株価が300円以になりました。役員は権利を行使して200円でこの会社の株を手に入れることができました。差額の利益を100円得たことになります。もちろん1年後に200円以下だったら権利を行使しなければいいので損はしません。
一見会社にとっては元手がかからないボーナスで良さそうに見えます。しかしストックオプションの権利を行使するということは株数を増やすことを意味します。株数を減らす自社株買いが株主全体の利益になるのとは逆に、ストックオプションは株主全体の利益を奪う行為なのです。
よってわたしはストックオプションを乱発している会社は株主に不誠実であると考え、投資の対象にはしません。ストックオプションを発行しているかどうかは、会社のホームページでIR情報を調べてみないとわからないことが多いです。気をつけましょう。
残りの経営の不振を隠さない、粉飾決算をしないというのは企業としてはあたりまえなので割愛します。
消費者を舐めたらしっぺ返しを食う
粉飾決算やストックオプションの乱発は株主に対する裏切りです。対して食品の産地偽装、製品の性能の虚偽申告、リコール隠しなどは消費者に対する裏切りです。
会社の指示で生産地と違う産地を表記したのに、誤表記と不可抗力だったように言い訳をします。会社ぐるみの隠蔽工作なのにほんの数名の仕業のように責任を押し付けるという見え見えの手です。こんなことをしても真実が明るみに出たら信用を失い、状況はさらに悪化するだけです。
消費者を騙して平気な顔をしている経営者がいる会社は投資先としてはふさわしくありません。
誠実さが失敗を信頼に変える
事業を行っている以上不幸な自己や失敗は必ずあります。人間は必ず失敗する生き物です。その人間が営んでいる会社が失敗を犯さないはずがありません。
しかしその失敗を犯したときに利益や保身ために嘘をつくことは許されません。失敗は失敗と素直に認め、誠実に謝罪し同じ失敗を起こさない対策を講じる。そうすることで逆に会社の信用は上がります。
ピンチはチャンスです。苦しいときこそ真面目に正直に対応することが消費者の信頼を生み、良い結果を生むのです。
それでは投資を楽しんで!!
【こんな会社の株を買え】Point8 | 営業が優秀な会社
みなさんこんにちは、モズークです。
大好評連載の『こんな会社の株を買え』もいよいよ終盤の第8回を迎えることになりました。残りはこの回も含めてあと3回です。気合い入れていきましょう。
さて今回は『営業が優秀な会社』について書きます。あれ?以前も同じような記事を読んだぞ?というあなたは大変素晴らしい記憶力をお持ちです。
そうです、以前に『企業における営業の重要性』という記事で、営業はとても大事ですよと書きました。というわけで今回はこれでおしまい・・・というわけにはいかないので違う視点で書いてみます。
優秀な営業の調べ方とは?
そもそも優秀な営業はどうやって調べればよいのでしょうか。研究開発費や設備投資費などは数値化されているのですが、四季報をパッと見ただけでは営業活動費はどれくらいなのかわかりません。
バランスシートや決算書をみてもなかなか把握できません。よほど詳しくインターネットで検索したり、直接会社に聞き込みしたりしないと正しい数字は出ないでしょう。
また営業活動費がどれだけ効率的に売上に貢献しているかというのも、なかなか具体的に数値化できません。そのため投資家が投資先を選ぶ基準になりにくく、軽視されているのが現状です。
質の低い営業活動は出口の狭い瓶のようなもの
営業を軽視する会社では驚くほど大きな利益を得ることは難しいです。どんなに良い製品を製造が作っても消費者にアピールできなければまず売れません。売れなければ在庫が積み上がり、保管費用で経費はかさみ赤字を出して近い将来倒産が待っているでしょう。
優秀な経営陣が在庫調整をどんなに行っても出口がせまければ事業は先細るしかありません。このように優秀な経営陣や作業員、優秀な研究開発員と同じくらいに、営業の事業における重要性は高いのです。
日本では営業は使い捨てのような扱いで、結果が出なければすぐにポイされてしまいます。これでは優秀な営業はなかなか育ちません。海外、とりわけアメリカの会社などは営業を雇うときでも厳しい目で慎重に選びます。
そしてさらに社内の成長プログラムで会社にとって有益な営業に育て上げます。海外の企業はそれだけ営業の役割を周知し、重視しているのです。
あなたが知っているということは営業が効いている証
テレビや雑誌、インターネットでよく聞くメーカーや製品があります。知らず知らず何処かで聞いたことがある名前の製品が、次に買う製品の候補にあがります。このようにあなたがそのメーカーや製品について知っているということは、営業活動がちゃんとされている証拠でもあります。
株式投資で「知っている企業の株を買え」というアドバイスもありますが、正しく営業活動が行われてという面から見るとあながち間違ってはいないのです。
日本の自動車シェアトップのトヨタ自動車が広告宣伝費も膨大であることもその証明と言えるでしょう。あのトヨタですらブランドのパワーを維持するのにお金を大量に使うのです。宣伝広告費をケチって営業に力を入れていない会社では、どうやってもかなうはずないですね。
頑固親父の秘境ラーメンではいけない
「てやんでえ!うちのラーメンは味のわかるやつだけ来ればいいんでい!」
腕組みした頑固親父のいるラーメン屋の店主がいいそうなセリフですね。おそらく近い時期に店じまいすることになるでしょう。誰にも知られずひっそりと秘境にあるラーメン屋ならそれでオッケーです。頑固な店主と一部の常連客くらいしか困らないでしょう。
しかしわたしたち投資家のお金の投資先となると、そんな会社はもちろんノーサンキューです。優れた技術、しっかりした経営、素晴らしい信念もさることながら、営業が強く優れていることも大きく成長する会社には必要不可欠です。そんな優れた営業を見つけ出すにはやっぱり地道な調査と観察が必要です。
それでは投資を楽しんで!
【こんな会社の株を買え】Point7 | 長期的展望を持っている会社
みなさんこんにちは、モズークです。
『こんな会社の株を買え』もおかげさまで7回目となりました。今回は『長期的展望を持っている会社』というテーマで書きます。
長期的展望、これは絶対に必要です。これが無い会社は成長する可能性は低いと思っていいでしょう。
毎日同じことを繰り返すだけでいっぱいいっぱいの会社もたくさんあります。わたしがやめた会社もそうだったなあ・・・(遠い目)とにかく上の会社から仕事を回してもらうだけで、それ以外やらない会社でした。
そのため入社したときから退社するまで10年間、ほとんど成長しませんでした。社長に会社を将来的にこうしたいというビジョンが全くありませんでしたね。
どんなに好調な事業も10年は持たない
10年ひと昔とはいいますが、ここ10年で衰退したりなくなった仕事や技術はたくさんあります。パソコンの普及でワープロがなくなり、スマホの普及で着メロは消え、デジカメの普及で銀塩フィルムは消滅寸前になり、メールの普及で年賀状は減り続けています。
このように技術や環境の変化で今現在好調な会社でも、10年経てばみすぼらしい業績の会社になる可能性があります。ですから10年先を常に見据えて新しいことに挑戦する事が必要です。
できれば新しいことに挑戦する気持ちを社長を始め社員全体が共有していることが望ましいです。上司から言われていることだけをやる社員ばかりでも困ります。社員自ら上司に新しいことを提案し、それに答えてやらせてみる上層部であれば理想的です。
結果が出るには10年かかる
今好調な事業も10年後はどうなるかわからないと上で書きました。しかし新しい事業が実を結び花を咲かせるまで、やはり10年はかかります。それにやはり百発百中とはいかずに、10年やっても花開かない事業もあります。
開発が計画通りにいかなかったとか、計画自体が儲かる事業ではなかったなど原因はいろいろあります。新事業計画が失敗したら、別の新事業計画をまた10年かけてやり直しです。
挑戦に失敗はつきものですのでこれは仕方のないことです。そのときに主要事業がまだ健在なら良いのですが、衰退を始めていたとしたら断続的な成長に水を差すことになります。
失敗することも考えると新事業計画もたった一つだけではリスクが高すぎます。常にいろいろな可能性を模索し、複数の計画を実行している会社こそが成長し続ける会社です。
赤い悪魔
ファミコン、スーパーファミコンと大ヒットを生み出しその後もゲームボーイ、NINTENDO64、ゲームキューブ、3DS、Wiiなどゲーム業界で大きな力を誇っている任天堂ですが、実は挑戦しすぎて失敗というものも数多くあります。その最たるものがバーチャルボーイです。
いまでこそヘッドセットを使ってVRを楽しむゲームが話題ですが、任天堂は20年以上も前にヘッドセット型の3Dゲーム機を出していました。しかし悲しいかな当時は3DCGを扱える程のパワーがゲーム機にはなく、擬似的に2Dを3Dに見せるので精一杯という状況。
さらにコストの影響か技術が追いつかなかったのかゲーム画面の色は赤一色。やっていることのとんがり具合とは裏腹にそれほど売れず、一部のマニアの話題になっただけひっそりと消えていきました。その外観や画面が赤一色だったからか、当時のユーザーからは「赤い悪魔」と呼ばれています。
しかし任天堂は当時スーパーファミコンやゲームボーイで絶好調だったからこそこんな尖ったハードも出せたのです。20年経ってこれからヘッドセットを使ったバーチャルによるゲームが出始めています。任天堂はゲームの未来を10年どころか20年先をみていたことになりますが、発想が新しすぎて技術が追いつきませんでした。
バーチャルボーイでの失敗から学び、裸眼で見える3Dのゲーム機である3DSのヒットでやっと敵討ちを果たしたのかもしれません。こんな任天堂の3Dへのこだわりから考えると、もしかしたらこっそり秘密裏に独自のVRハードを開発中かもしれません。
10年後の成長のために
ずいぶん話がそれましたが、任天堂のような企業ですら成長し続けるには挑戦し続けるしかありません。一方でわたしの退社した会社のように毎日仕事に追われて、新しいことを模索する時間すら作れず衰退していく会社もあります。また大きい会社は安定を求めるため、新しいことに挑戦せず現状維持で満足する傾向があります。
成長のために10年後、20年後に花開くことを信じて長いスパンで新しい事業への計画を立てる。そして役員及び社員が将来の展望をはっきり共有して新事業に挑む、そんな会社を探して投資をすることが大切です。
それでは投資を楽しんで!!