【映画レビュー】ラ・ラ・ランド|理想と現実の間で夢の国から出られない人々

こんにちは、は・は・モズークです。

デイミアン・チャゼル監督の映画、ラ・ラ・ランドを観ていました。
チャゼル監督といえば音楽にこだわりのある作品作りが特徴のある監督です。
今作もジャズをメインにミュージカル仕立ての素晴らしい作品に仕上げてありました。

ストーリーはわりと普通の恋愛もので、それほど深く考えるというところはありません。
ロサンゼルスで夢を実現するために、ままならない現実に振り回されながら毎日を生きる二人の男女のラブストーリーです。
しかしこういう青臭く夢を追い続けるという内容は、年をとるたびにいろいろと諦めてきたわたしのようなおっさんにボデイーブローを連打されるようなダメージを与えてきます。

そんな中年には身悶えるような作品ですが、夢を追い続ける若者には是非オススメしたい作品です。

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圧倒的な長回しの迫力

この作品で圧倒されたのは一つのカットで延々と踊り続けるもの凄く長いオープニングでした。
ロサンゼルスの特徴である渋滞するハイウェイ上で、いろいろな人種の人々が音楽に合わせてダンスする映像はそれだけで圧巻とも言える出来でした。
まさに人生というハイウェイで上手くいかないフラストレーションの爆発を、人々のダンスで表現されていました。
いったいどうやってタイミングを取ったのか、どんな演出設計をしたのか、どこかにつなぎ目がないのかなど探してしまうほどでした。

さらにそのスクリーン越しの空気感がいかにもアメリカ西海岸っぽく(行ったことないけど)、夢の国というか現実離れした世界の物語が始まるのにふさわしいオープニングでした。
ここでおっさんは少し涙が出ちゃいました。
いや、意味わかんないし。

ホテル・カリフォルニアの世界

舞台であるカリフォルニア州、ロサンゼルスの現実離れした空気を感じる映像は、わたしが頭のなかで描いていたロックバンド、イーグルスのホテル・カリフォルニアの映像に重なりました。
登場人物のみんな誰もが浮かれていて、夢を追いかけるネバーランドの住人に見えました。
夢を実現しようとしても現実はそうそう上手くいかないために、理想と現実の間でジワジワ疲労していく雰囲気も感じられます。
そして情熱を削られてゆきながら夢を諦めることもできず、引き返しどきが分からずにダラダラと過ぎていく毎日。

いつでも帰ることはできます、しかしチェックアウトはできません。
それはまさにようこそホテル・カリフォルニアへ、です。

そんなねっとりとした湿度の高い雰囲気がやっぱりわたしのようないろいろ諦めた中年にはボディブロー(以下略)

現実はこんなもんだよね!!

ストーリーは上にも書きましたがわりと普通のラブストーリーです。
最初は自分のことだけで精一杯の二人が、優しさゆえお互いのことを思いやることで傷つけあってしまい不和になります。
そのため二人の心は一時は離れてしまうのですが、そこからまるで映画のようにあれよあれよと都合よく物事は上手く運びます。
そして再び結ばれるこれから始まる明るい成功への道を歩む二人。

これでハッピーエンドかと思いきや、最後は・・・やっぱり人生ってこんなもんだよね!!でエンドロール。
そこで映画を観ているとわたしたちには、ラ・ラ・ランドという夢の国からの出口が用意されます。
おつかれさまでした、と。

ですが二人を含む映画の登場人物たちにとって、このストーリーの続きはまさにホテル・カリフォルニアです。
出口は開いていますが、チェックアウトはできませんよ・・・と。
そして今日もミュージカルのようにダンスを踊り続ける日々を過ごすのです。
ちょっとホラーっぽいですね。

そんな夢の国での出来事をダンスあり、音楽あり、恋愛あり、ちょっとせつない別れありでパッケージしたすばらしい娯楽ミュージカル映画でした。

ラ・ラ・ランド 総評

ストーリー:ストーリーとしては普通12点
演出:オープニングの長回しミュージカルパートは素晴らしい20点
配役:あのハゲ生きとったんか18点
映像:最新の技術で昔の合成っぽいことをやるなど工夫しているけど成功しているかといえば疑問17点
音楽:登場人物の心情を表すメロディが印象的に繰り返し使われているので18点
総合:85点

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