【映画レビュー】ドリーム|その対立をハンマーでぶち壊す

みなさんこんにちは、モズークです。

先日アメリカの人類を宇宙に送り出し無事帰還させるというマーキュリー計画を題材にした映画、『ドリーム』を観てきました。しかし観終わったあと、なぜこの映画が『ドリーム』なんて題名がついているのか頭を捻りました。

ストーリーはアメリカとソ連の宇宙開発競争時代に貢献した、あまり表舞台に出ない黒人女性の活躍を描いたものです。ですがその黒人女性たちの行動は「夢」を叶えるためではなく、差別のないごく普通の1人のアメリカ国民としての待遇を求めていたようにみえます。

わたしたち黒人も白人たちと同じように認められて生活がしたい、というのが夢だとしたらすこし小さすぎる夢ではないでしょうか。例えるなら派遣社員が「正社員になるのが私の夢です」というくらいしょぼい印象です。ほんとにこれが夢?

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あいかわらず意味がわからない邦題

映画の内容とタイトルに違和感があったので調べてみたら謎が解けました。

この映画の原題は『Hidden Figures』で、意味はたぶん隠れた数式という意味です。つまりもともとはマーキュリー計画において表に出てこなかった計算係に焦点をあてたノンフィクション小説が原作の映画です。

どうやら日本でこの映画を上映する際に、勝手に『ドリーム』という映画の内容が変わってしまいそうな邦題を付けたようです。またそれだけではなく、あきれることに最初は『ドリーム 私たちのアポロ計画』にするつもりだった模様。マーキュリー計画なのになんでアポロ計画?関係者の言い訳としては、日本ではマーキュリー計画は知名度が低いのでアポロ計画ということらしいのですが、バカにするのもいい加減にして欲しい。何も考えずにタイトル改変をするという、日本の映画関係者のお粗末っぷりに乾いた笑いしか出ませんでした。

こういうのはもうやめてほしいものです。

黒人と女性というふたつの対立との戦い

この映画では黒人と白人、女性と男性というふたつの対立がメインテーマにあります。マーキュリー計画というアメリカ全体で取り組んだ計画なのに、その対立のせいで優秀な人材が適所に採用されずに損失となっている様子が描かれています。

そんな対立を主人公であるキャサリン、メアリー、ドロシーはその対立に毅然と立ち向かい克服していく姿は痛快でした。彼女たちはいわゆる天才ですが、黒人や女性というだけで冷遇されています。どれだけ才能があっても、やっぱり最後は人間関係が問題になるんだなとつくづく思い知らされます。

ただNASAでの差別的対応にキャサリンがブチギレした翌日、上司がハンマー(バールだったかも?)でトイレの看板を破壊するというのは、ちょっと大げさな演出すぎて笑ってしまいましたが。

あとおっきなIBMが扉から入らなかったり、コンピューター室がザル警備で勝手にいじれるというのもどうなのかな?まあそこらへんは面白くするためのフィクションでしょうね。どうやらこの映画には映像にする際に面白さを優先したために、そういうフィクションがかなりあるようです。ノンフィクション小説の映画化というのは、難しいものがあるんだなと思いました。

ドリーム 総評

ストーリー:実話をもとにしているらしいけどフィクションも多いよね?13点
演出:1960年代の雰囲気があまり感じられなかった、いや生まれてないけど12点
配役:日本人から見てもわかりやすい俳優を選んだんだ思う16点
映像:見やすかったです15点
音楽:特に印象に無し8点
総合:64点

いつミュージカル風になるかとドキドキして観てましたが、最後までなりませんでした。

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