【映画レビュー】ギフテッド|ギフテッドでも人間だ

みなさんこんにちは、モズークです。先日『ギフテッド』を観てきました。

ギフテッドとは生まれつき優れた才能を持っている子供のことです。直訳すれば「贈られた」といなり、まさに天から贈られた才能というところでしょう。日本語では神童と言えばピンとくると思います。この映画はその生まれつき才能を持った子供と、それを取り巻く人間関係を描いたものです。

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登場人物

メアリー:本作の主人公。数学の才能に恵まれた天才、いわゆるギフテッド。凡人にはなんだかよく分からに数式も解いてしまう。学校では授業内容や同じ年代の子供が幼稚に見えるためか、上手く付き合えないでいるが本人はあまり気にしていない模様。

フランク:メアリーの叔父で父親代わり。姉である故ダイアンの忘れ形見であるメアリーを引き取って一緒に生活している。イケメン。土曜の夜はバーで女性とアレコレと楽しんでいる。

イブリン:フランクと故ダイアンの母親。メアリーの祖母。超金持ち。そしてトラブルの元凶。過去に彼女自身も数学の研究者だった。

ロバータ:近所の黒人のおばさん。メアリーと仲がいい。

フレッド:片目の猫。メアリーの友だち。

ボニー:メアリーの学校のクラスの先生。メアリーの才能をみて、ちゃんとした教育を受けられる他の学校に推薦しようとする。フランクと話そうと土曜の夜のバーに行き、お酒を飲んでついついフランクとアレな関係になってしまう。セクシー過ぎる。

他にも数人出てくるけれど、ほとんどこの6人で話は進みます。

イブリンという厄介者

この映画においてイブリンが全ての元凶であり、トラブルメーカーです。まず彼女は過去に娘であるダイアンに対して非常に厳しい教育を課しました。イブリンもそうであったように、ダイアンも優れた数学者でありなんとかいう数式を証明する為に長年研究していました。そのためにダイアンに好きなようにはさせず、恋愛すらもイブリンの手回しでもみ消してしまうという徹底ぶり。

はっきりいえばこのイブリンがクソです。自分の思い通りに他人を動かそうとし、支配下に置こうとする最悪な性格です。しかもそういう人に限って「あなたの幸せのためよ」とか言うのです。その支配下に置かれた人間は感情などなくなって、ただの操り人形のように生きていくしかありません。

もし感情のない人形となってしまえば、生きていても仕方がないと考えてしまうでしょう。ダイアンはそんな母親に反抗したのか、妊娠してイブリンに勘当されてしまいます。そして生まれた赤ん坊を弟のフランクに託し、自ら命を落とします。

当然フランクも自分の母親であるイブリンの性格をよく知っていました。おそらくフランクもイブリンとの不仲が原因で家を出ていたのでしょう。なのでダイアンの残したメアリーのことは、イブリンには連絡せずに自分で育てていく決心をしました。そこでフランクは姉のダイアンが才能があったために、イブリンが行った厳しい生活への干渉がダイアンを自殺に追いやったと思い、メアリーには普通の教育を受けさせたいと思ったのでしょう。姉のダイアンもそれを望んでいました。

しかしそこにメアリーの才能を嗅ぎつけたイブリンが乗り込んできて、どうにかしてメアリーを奪っていこうと策略をしかけてきます。書いてるだけでイブリンのクソさが際立ちます。

自分の考えを押し付けてはいけない

この映画のテーマはなにかと問われたら、わたしは「自分の考えを他人に押し付けてはいけない」ということだと思います。

イブリンのように「あなたのためよ」といいながら自分の思い込みで暴走し、他人を不幸にするなんてことはいくらでもあります。そうならないためにもまず相手がどうしたいかを確かめ、その意見を尊重することが大事です。

イブリンは自分の娘の人生は自分で管理して当然とでも思ったのでしょう。とんだ思い上がりで傲慢な考えです。いくら自分の子供でもひとりの人間です。例え間違った道を歩もうとしていても、干渉して否定してしまうことはしてはいけません。そんなことをすれば逆に反発するか、従順なふりをした死の状態になります。

映画の途中で、こんなシーンがあります。メアリーがフランクに「神様はいるの?」と質問します。フランクは「わからない、自分の答えはあるが、それは自分の考えだ。押し付けることはできない。」(うろ覚え)という返事をします。

フランクは遠回しに神様の存在はその人の考え方で決まると言っています。つまりメアリー自身がその答えを出しなさいと言っているのです。子供に「神様はいるの?」と聞かれてこういう返事をできる人はなかなかいないでしょう。おそらくフランクはイブリンの傲慢さを見てきて成長したので、できるだけ本人の気持ちを優先させるという性格になったのだと思います。

逆にやさしすぎるフランク

そんなできるだけ相手の意思を尊重するフランクですが、逆に言えば自分の意思をあまり表に出さないということにもなります。それがメアリーとの生活を壊してしまう結果になってしまいます。

メアリーはフランクのことを気に入っています。もちろんフランクもメアリーのことは気に入っています。姉の残した子供ということを抜きにしても、家族として楽しく共同生活を営んできました。ですがフランクはこのまま普通の生活をして、メアリーの才能を潰してしまっていいのかという葛藤も生まれます。イブリンの元へメアリーを預けたら姉の二の舞いになるのは確実です。それだけは避けなければいけません。親権を争う裁判(仲裁?)では相手の弁護士から環境の悪さと経済状況を攻められて、メアリーにとって本当の幸せとは何かを揺さぶられてしまいます。

本来ならフランクはメアリーと一緒に生活したいはずなのに、メアリーのためを思うあまりに豊かな里親にある年齢までメアリーを預かってもらうという、和解案を飲んでしまいます。まあこれはイブリンの罠だったのですが。イブリンまさにクソ。

他人の意見を尊重するのも大事ですが、自分の意見も大事にしないとこれまた周りの人間を不幸にしてしまうのです。なかなか難しいですね。

ギフテッドでも人間だ

ギフテッドのように優れた才能を持ってうまれたとしても、結局はひとりの人間です。才能のために他のことを犠牲にするような人生であってはいけません。才能があろうがなかろうが、それはただの個性でありみんな同じように生きてゆくのです。特別扱いもダメですし、見捨てるのもダメです。子供の頃は特に他人との付き合い方を覚える重要な時期です。

もちろんイブリンのように他人の人生を管理しようなんていう傲慢なのは一番ダメです。できるだけ相手の意見を聞き、尊重し、認めることが大事です。もちろん相手だけでなく、自分の意思も尊重するのも大事です。相手を尊重するあまり、譲歩しすぎるのも考えものです。というようなことをこの映画をみて考えていました。

しかしほんとうにイブリンはクソです。ハウス名作劇場の悪役でもここまで酷いキャラはいません。最後に多少は改心でもするのかと思ったら、心変わりしたのかしてないのか、よくわからないまま終わってしまいました。人間そう簡単には変わらないっていうことかもしれませんね。

ギフテッド 総評

ストーリー:ひたすらにイブリンがクソ13点
演出:動揺を描く演出でカメラをブレブレさせるのは古い12点
配役:フランクがイケメンで髭がうらやましい17点
映像:これといって特筆するようなものではない10点
音楽:冒頭のギターの音色で作品にすんなり入っていけた18点
総合:70点

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