無借金経営は本当にいいのか?

こんにちは、借金怖いモズークです。

株を選ぶために会社の業績や経営を調べますよね。
前にも書きましたが、わたしは以前の投資方法はバリュー株投資でした。(現在はスーパーグロース株投資家です。)
バリュー株はできるだけ割安で安全な株、バフェット風に言えば安全域(マージン・オブ・セーフティー)の大きい株を探していました。

  • 利益率に対して株価が割安である
  • 経営が安定している
  • 現金を多く持っている
  • 無借金経営である

などを重視していました。

ところが最近、無借金はたしかに素晴らしいのですが事業を加速するための正しい借金もあるのではと考え始めました。
正しい借金とはなんでしょうか?
今回は借金について考えているあれこれを書いてみたいと思います。

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銀行はお金を貸したがっている?

2012年末にアベノミクスが始まり、翌年の2013年4月の日銀の量的金融緩和により流通する通貨の量は大幅に増えました。
量的緩和により通貨の量が増えたので、物の価値と相対的に通貨の価値は下がります。
普通に考えればインフレになるはずです。

しかし実際にはインフレはほとんど起きず、物価の上昇はほとんど進みませんでした。
その理由は銀行が日銀に国債を売った現金を日銀の当座にブタ積みにするだけで、ほとんど融資を増やさないのが原因です。

せっかく国債を売った現金を融資せずにしまいこんでいれば、流通する通貨は増えません。
実際の市場に流通する通貨の量が増えなければインフレなど起きません。

銀行は本来借りたい人に融資をし、利子を受け取って利益を得るのが本分です。
ところが日銀の当座に現金を置いてくだけで利息が受け取れるので、リスクを取って融資などしなくなっているのです。

そのため、今年1月に日銀は当座預金の一部に手数料をかけて預けていると預金が減るようにしました。
これがマイナス金利です。
つまりマイナス金利は銀行に対して「もっと融資を増やして市場にお金を流しなさい」と発破をかけるのが目的です。

銀行はいままで日銀にお金を置いておくだけで利益が増えていたのに、ちゃんと融資をしなければ儲けることができなくなりました。
簡単に言えばタダ飯が食えなくなったということです。
ここ最近のマイナス金利政策を貶める報道は銀行関係者からの恨み節でしょう。

しかしわたしに言わせると、銀行は社会の公器です。
お金を借りたい人の事業にちゃんと融資し、その利子で利益を得るように努力しなければいけません。

マイナス金利政策のおかげで銀行は企業や個人がお金を借りてくれないと困る状況になっているのです。
つまり銀行はお金を貸したがっている状態です。

無借金経営は素晴らしいけれど

さて一方企業の方といえば、リーマンショックや東日本大震災を乗り越えたような優秀な企業陣のなかには無借金経営の会社も数多くあります。
無借金経営とはその字のとおりに借金をしないで経営できているということです。
事業で十分な利益を得て、その利益で再投資をする、たしかにそれは素晴らしいことです。

しかし無借金経営にこだわるあまりに内部留保を積み上げる。
事業拡大を限られた資金で行うために思い切った設備投資ができない。
なかなか社員の給料を上げないということが起きているのではないでしょうか?

銀行はお金を貸したがっており、しかも金利は史上最低レベルです。
現在ほど資金を調達しやすくなっている時代はないでしょう。
ならば安全かつ必要な範囲で銀行からの融資を受けたほうがよいのではないのでしょうか。

そうすれば会社は社員の給料も上げることができ、設備投資もできる。
銀行は融資した資金の利息で利益を得ることができる。
そして市場の通貨量は増え緩やかなインフレになる。

まさに会社良し、銀行良し、社会良しの三方良しの状態になります。
素晴らしい。

無借金経営ゆえに倒産するケースも

こんな話があります。
ある会社は経営陣が優秀で経営状況もよく無借金経営でした。
借金がなければもちろん銀行との付き合いもありません。
会社の経営が順調なときはそれで上手くいっていました。

しかし会社の経営というのはいつトラブルに見舞われるかわかりません。
一度のトラブルで資金難に陥ってしまうという可能性もあります。

その会社もある経営上の失敗で赤字を出してしまいました。
もともとは実力のある会社なので、このピンチを乗り切る資金があれば立ち直ることは予想できます。
しかし無借金経営をしていたこの会社は、普段から親しい付き合いのある銀行がありませんでした。

そのためそのピンチを乗り切るための融資をしてもらえるような銀行が表れず、会社は不渡りを出してあっさりと倒産します。

このようにいくら無借金経営する実力のある会社でも、万が一に備えて特定の親しい銀行とつながりを持っておくことは重要なのです。

もちろん借金は少ない方がいい・・・が

四季報や決算書をみればその会社の借金がどれくらいあるかはわかります。
もちろん借金は少ないほうがいいのは当然です。

しかし新しい事業を始めるときの資金調達やいざという時の備えのために、お付き合い程度に借金をしておいて銀行とコネを持つことも必要かなと最近は考えています。

最後にこんなブログを見ているかわかりませんが、銀行関係者にお願いがあります。
何か事業を始めようと思っていても、資金のない個人は借金する必要があります。
そういう融資を必要にしている人たちへの融資も銀行はできるだけ積極的に行ってください。

猫も杓子も担保担保で質屋みたいな貸し方をするのではなく、融資が必要な人の事業計画を見てその将来性に融資をしてください。
今は銀行の人を見る目が要求されている時代です。
銀行にはある程度リスクを許容して、人間の本質を見極めて融資を判断してほしいと思います。

それでは投資を楽しんで!

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