みなさんこんにちは、モズークです。
わたしは株式投資を始めた頃はバリュー投資をメインにしていました。そのせいか株を探すときに企業のスクリーニングをする場合、無借金経営を意図的に選んでいました。今でもグロース株に投資するときは、ついつい習慣で借金の少ない企業を探してしまいます。
ですが最近思うのは、事業を拡大させるための借金ならば積極的に利用する企業の方が成長力が高いのではと思うようになりました。ましてや今はいまだかつて無いほどの低金利時代です。この低金利でお金を借りられるのに、無借金経営にこだわりすぎて事業拡大のスピードを鈍化させているのはもったいないです。
もともと会社を設立するときは、よっぽどの資産家でなければなにかしら銀行からの融資を利用することになります。つまりほとんどの会社がもともと借金をしているのです。ならば事業を拡大するために借金をするのは、それほど間違ったことではないのではと思います。
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借金をするとROEは高くなる
グロース株投資をするにあたって、株を選別するスクリーニングではROEを重視します。ROEとは資本に対してどれだけの利益が上げられたかという指標です。資本とは会社設立時に準備した資金や、株式を発行して得られた資金のことです。株式会社は株を発行することで資本を増やして事業を拡大しやすいのです。
しかしこの資本部分には借金は含まれていません。例えば資本金100万円で10万円の利益が上がればROEは10%です。しかしここで借金をして売上が倍になったとします。しかし資本は変わらないので、資本金100万円のまま利益は20万円になりROEは20%になります。
つまり資本は少なくても、大きな借金をして売上を上げることができればROEは高くなるのです。
まるで数字のマジックのようですが、資本と利益の割合というただの数字なので特別な意味はありません。他に借金や他の資産を含んだ指標もありますが、そちらはROAといいます。どちらも完全な指標ではないので、鵜呑みにせずより深く内容を見る必要があります。
借金でROEが高くても問題はない?
ですがわたしは借金でROEが高くなっても特に問題はないと思います。
なぜなら今のような低金利で借金ができ、それを事業拡大のために有効活用できているともとれるからです。過去にはもっと金利が高いときもありましたが、そのときでさえ借金で事業拡大をし、ちゃんと利益を確保してきた企業もあるのです。それに比べたらいまの金利はイージーモードの大チャンスでしょう。
もちろん無借金で高ROEなら文句なしです。ですが銀行から融資を受けられる体質の企業の借金ならば問題はありません。金利が有利なときにドカンと借りて事業を拡大できるのも、経営者としての手腕のひとつでしょう。
苦しい資金繰りのための借金はNG
もちろん経営が苦しく、自転車操業のためにお金を借りるようなことは望ましくありません。そういう経営難の会社は銀行も足元を見るので長期では融資してくれません。
おそらく資金を借りられないか、借りられたとしても1年以内の返済期限になってしまうでしょう。銀行から借金することのメリットは長期に低金利で借りられるということです。
それができないような企業はいずれ経営破たんするのは目に見えています。というわけで短期の借入金の多い企業への投資は避けたほうがよいです。どのみちそういう企業は利益が上げられず、ROEは低いので選択肢にも上がらないのですが。
低金利時の借金による高ROEは買い
結論としては現在のような低金利時の借入金によってROEが高くなっていても、それほど問題でないということです。逆に低金利というチャンスを活かして資金を借りて利用できる、大胆な経営手腕を持っているという評価もなるでしょう。つまり低金利時の借金による高ROEの企業は買い!ということです。
とはいえその企業の事業そのものに、資金を投入して利益を上げる力がなければいけないのは当然です。そこらへんはちゃんと調べなければいけません。そこが一番難しい?ごもっともです。
というわけで今回は低金利時の借金とROEについて書きました。
それでは投資を楽しんで!