図解「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書

図解「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書

小宮 一慶 著

  • あやふやな知識だった経営指標をちゃんと学べる
  • 決算書を読むことができるようになる
  • 文字が適度な大きさで読みやすい

お勧め度 ☆☆☆☆☆

ROEは知っているけれど

まだ全部しっかり読んだわけではないのですが、軽く読み終えた感想はこれ良書です。この本は会社でそろそろ経営にかかわる社員がターゲットらしいのですが、普通に投資家が読んでも勉強になります。

わたしも株式投資家としてROEという指標は高いほうが良いというのは知っていますが、そのROEが何なのかというのはちゃんと勉強していませんでした。またROEとROAの違いもネット調べたくらいの知識だったので、この本を読んでよくわかりました。

10年以上株式投資をやっているのに、かなり適当に指標を読んでいたんだなというのがわかりました。

例えるならば、エンジンの構造を知らなくても自動車は運転できます。しかし自動車をもっとよく知るためにエンジンのことも知っておきたいという人向けの本です。(?)

決算発表の楽しみが増える

株式投資家にとって年に4回の決算発表は重要なイベントです。決算の内容次第で株価が大きく変動します。

そんなときに決算書が読めるのは投資家にとって大きな武器になります。逆に言えば読めなければ、サングラスをかけて夜の山道を歩くようなものです。

この本を読めば決算書が読めるようになるので、決算書が読めない投資家よりかなり有利になります。決算書が読めるようになれば、決算発表も楽しむことができるようになります。(好決算なら読めなくても楽しいですが・・・)

ちゃんと決算書が読めれば、パッと見は好決算でも資産を売却しただけであったり、微妙な決算でも先行投資のために一時的に利益が伸びてないなどの数字のマジックも読めるようになります。

いままで経営指標も決算書もあまり見なかったという人や、あやふやな知識ではなくしっかりと覚えたいという人にピッタリな本だと思います。

文字の大きさも適度なサイズでかなり読みやすかったです。かなりおすすめ。

リバモアの株式投資術

リバモアの株式投資術

ジェシー・ローリストン・リバモア 著
小林利明 著
長尾慎太郎 監修
増沢和美/川添寿美子 訳

リバモアの投機手法に共感はできないが、哲学は同意できる
投機はしないが損切りの重要性に気づいた
ソフトカバーなので読みやすい

おすすめ度 ☆☆☆☆

ジェシー・リバモアって誰?

ジェシー・リバモアという名前はたまに聞くことはありました。ですが何をやっている人物なのかは知りませんでしたし、知ろうともしませんでした。

その理由は投資手法については、わたしにはすでにウォーレン・バフェット、フィリップ・フィッシャー、ピーター・リンチという3人の心の師匠がいたので、ほかの投資家や投機家のことを知る必要がなかったからです。

ではなぜこの本を読んだのかと言いますと、本がソフトカバーだったからです。いやいや、マジです。私自身はハードカバーってあんまり好きではないんですよ、なんか読みづらくて。その点、ソフトカバーならページもめくりやすいので好きです。

パンローリング社の投資家に関する本は大体がハードカバーでしかも高い。なのでなかなか本屋で手に取ってみようとは思いません。ですがこの本はソフトカバーだったので、パンローリング社の本とは気づかずに手に取りました。

なので偶然本屋で手に取ったソフトカバーの本がこの本だったということです。

投機には共感できないが

わたしの投資手法は基本的に長期投資です。ファンダメンタルズを調べて、長期的に成長していくと思われる企業の株を買うという戦略です。なのでこの本のジェシー・リバモアの投機手法には共感できませんでした。

ですが哲学においては共感できるところもありました。

  • 自分以外を信じるな。
  • 自分のルールを守らなければならない。
  • 感情的になってはいけない。

などです。

ここでこれらのことについては書きませんが、リバモアについては共感できるところとできないところ、両方があるということです。

そりゃそうですね。人間とは0か1かではなくて、その中間なのが当たり前ですから。

損切りの重要性がわかる

いままでわたしは損切りは不必要だと思っていました。ちゃんと企業を調べて買えば、株価の下落はただの押し目でナンピン買いのチャンスだと思っています。これはファンダメンタルズ重視の長期投資の私の考え方です。

リバモアの場合は最初から損切りラインを決めてトレードします。そんなの当たり前やんと言われると思いますが、いままで短期トレードを真剣に勉強してなかったので、この本を読んでその重要性がやっとわかりました。

ただそれはリバモアの手法のルールで、わたしのルールとは違います。ただ、それだけ。

これで世間一般のトレーダーが、よく損切りは重要ということを言うのかがよくわかりました。これはこの先のわたしの投資にも役立つと思います。

また、この損切の考えで思い当たるアイデアが浮かんできたので、それもそのうち記事にしたいと思います。

結論としては、リバモアの投機という手法に共感はできない。ですが哲学は共感できるところもあったし、新しい投資アイデアも浮かんでくるという、わたしにとってかなり有益な本でした。

なによりソフトカバーがいい。

秋なので大量の本を処分しました

みなさんこんにちは、非情な断捨離マンのモズークです。

そろそろ秋の気配も近づき、朝夕はかなり涼しくなってきました。まさに秋のインディケーション。

そんな少し涼しくなってきたこともあり、部屋の大掃除を始めたりしています。暑いときは少し動くだけで汗が吹き出てアウトなので、秋は掃除にはちょうどよい季節です。それでこれから冬にかけていろいろ処分していくのですが、まず困ったのが大量の書籍。

投資やブログをやっているとインプットを大量にする必要があるため、気付いたらいつのまにやら数百冊の本が溜まっていました。それだけ本があると部屋のスペースが圧迫されるので、非情になって思い切って処分してしまいました。

「もったいない!」
「本に対して愛がない!」
「お金と資源の無駄遣いだ!」

おっしゃる通り、弁解の余地はありません。ですが今回おもいきって処分してみて、自分の中で踏ん切りがついたという気分です。ある意味清々しさすら覚えます。これがいわゆる断捨離ってやつですか?

思い切って処分してみて思ったこと

まだまだ部屋には処分する本はいっぱいあります。とりあえず10分の1くらいは減ったでしょうか。最初は処分するのもったいないなーとか、とりあえず持っておけば読み返したときに新しいことが発見できるかもしれない、という考えもありました。たしかにそのとおりです。

『本はボロボロになるまで繰り返し読む』でも書いているように、基本的には本は捨てずに何度も読む派です。

ですがあえて今回は処分という方法を選びました。理由としては読んだ本を保存しておくと、持っていることに満足してしまい、その本の内容を自分の知識と勘違いしてしまうのではないか。そうなると自分の頭で物を考えなくなるのではないか、と思ったからです。

たとえば自己啓発的な本もたくさんありました。ですがその中のどれか一つを選んで実践しているかといえばそんなことはなく、少しずついいとこどりをしようとして結局なにも実践できないという状態です。

自己啓発本は悪いとは言いません。ですが所詮成功した人の体験談なので、本を読んだくらいで真似してもなかなかうまくいきません。著者の考え方くらいは参考になりますが、やはり自分の頭で考える結果になります。

だったら一度全て処分してしまうことで、自分の考えをはっきりさせてみようという意味もありました。もちろん自己啓発だけでなく、お金に対しての哲学や、経済の分野なども同じです。色んな本から得た知識を一度捨てることで、頭のスペースを物理的に空けることができるのではないのでしょうか。

ぶっちゃけ大量の本を残しておくと、部屋の掃除が全く進まなかったというのも大きな理由です。

死ぬまで持っておきたい本

とはいえ、死ぬまで読み続けたい鉄板の本はちゃっかり残してあります。

上のこれらの本は暇な時や、ある程度時間が経ったら読み返している本です。わたしの場合は上の3冊を読んでおけば自分の投資哲学を見失わないでしょう。墓場まで持っていくつもりです。みなさんにはそういう大切な本はありますか?

それでは読書を楽しんで!

【書評】めざせ「億り人」!マンガでわかる最強の株入門

めざせ「億り人」!マンガでわかる最強の株入門

安恒理 著
吉村佳 画

マンガ部分は腹が捩れるほど面白い
マンガでわかるというタイトルだが、マンガでよくわからない
株式投資の入門書としてはあまり役に立たない
パンサー川島

おすすめ度 ☆☆☆

株式投資に興味をもつきっかけにはなる

世の中にはマンガでわかる○○という本が溢れてますが、これもその中の一つです。この手の本はマンガの作画レベルがピンキリですが、本書は作画レベルは高めです。しかし残念ながら、これを読んでも株式投資の役には立ちません。

ただ株に興味のない人に株って面白そうという印象を与えることはできるでしょう。つまり株式投資に興味をもつきっかけを与える点においては成功しています。

そういう意味ではインベスターZと同じ立ち位置の本です。

パンサー川島は反則

立ち読み数ページでパンサー川島という名前のキャラが出てきて書店で変な声が出てしまいました。その1点だけで即買い決定。おかげでレジでお金を払うときも、笑いを堪えるのに必死でした。たぶんレジの人には薄笑いの変な顔した変態だと思われたでしょう。

Twitterでいわゆる株クラスタといわれる方々のやりとりが微妙にリアルで、そこも面白いところです。よっぽど株クラの観察をしていないと出てこないストーリーで、イナゴについてもちゃんと書かれています。株クラをテーマにしたギャグ漫画としてならとても面白いです。

キャラもかわいいので、萌えマンガとしても及第点。しかし現実は美少女アイコンの中の人はおっさんなのよね・・・と遠い目をしながら読みました。

マンガは強力な武器

作画やストーリーで楽しみながら勉強できるというのは、マンガの強力な武器です。どんなに難しそうな内容でも、マンガならとりあえず読んでみようという人はたくさんいます。

ナニワ金融道やカバチタレ!やミナミの帝王などで金融や法律に対して興味をもった人も多いと思います。たしかにマンガですべての知識を得ることはできません。ですがマンガで興味を持つことができれば、さらに勉強しようと本格的に専門書を読むきっかけにはなります。

この本で株式投資に興味を持つ人が増えたらすばらしいですね。

【書評】生涯投資家

生涯投資家

村上世彰 著

村上ファンド事件とはなんだったのかという疑問の一部が紐解ける
村上氏の投資スタンスに共感
企業に積極的に働きかける「もの言う株主」の捉え方が変わった

おすすめ度 ☆☆☆☆☆

当時はよくわからなかった村上ファンド事件

村上氏がインサイダー取引の容疑で逮捕されたのは2006年です。それはちょうどわたしが投資を始めたばかりのときでした。

ライブドショックも同時期だったと記憶していますが、どちらが先でどのような関係があったのかという時系列や関係性はよくわかりませんでした。

当時はテレビでヒステリックに村上氏のことを悪者にする報道が流れていたと思います。母と二人でテレビをみながら、母に「この人みたいな守銭奴になっちゃいけないよ」と言われた記憶があります。しかし投資を始めたばかりのわたしはインサイダー取引がなんなのかすらわからず、なぜこんなに連日テレビで放送しているんだろうくらいの感想でした。というかまるで興味がなかったという方が正しいでしょう。

あれから10年以上経って、今この本を取って読んでみた感想は「この人、ハメられたんじゃないかな?」というものでした。たしかに本著は村上氏視点から書かれていますので、そのような印象になるのでしょう。ですが今の加計学園の報道と同じく、ある組織や誰かの意図でむりやり悪の印象を植え付けられて、真実を歪められたというのがわたしの感想です。

マスメディアや獣医師会などの既得権益側に手を出すと、各方面からむりやりこじつけで悪者にされ、社会から事実上抹殺されてしまうのは今も昔も同じなのかとちょっとがっかりします。

投資家としてのスタンスに共感できる

村上氏の投資スタンスは「もの言う株主」という印象があります。

その「もの言う株主」の印象はテレビや新聞の報道で、企業からむりやり配当を出ささせたり、会社を乗っ取るという印象操作をされていました。ですがこの本を読めば、「株主軽視の傲慢経営をしている企業」に「もの言う株主」だったと読み取れます。

つまり「もっとやれるのになぜやらないんだ」という叱咤激励なのです。実際はどうかはわかりませんが、わたしも個人投資家の端くれなのでこの投資スタンスは共感できます。

これは数日前に読んだ『【書評】これが長期投資の王道だ』の著者で同じくファンドを運用していた澤上篤人氏の、企業を応援するスタンスとはまったく逆に見えます。ですがこれは作用する方向が違うだけで、本質的には企業を良くしたいという思いは同じであると気付きます。

この二人の投資家としての投資哲学にはわたし自身もおおいに学ぶところがあり、またおおいに共感できます。

読み物としてもおもしろい

この本の作りはハードカバーで、文字もやや小さめでありページ数も結構あります。表紙は真っ黒でいかにも読みにくそうな感じです。それでも中身は大変読みやすく、また内容が面白いのですんなりと読み終えました。元官僚だから文章が読みやすいとか、そんなわけはないのでしょうが、いままで読んできた中ではかなり読みやすい部類の本に入ります。

しかも読み物としてだけではなく、投資哲学の参考としても勉強になります。株式投資の初心者はもちろん、ベテラン投資家ならなお面白く読めると思います。

正直この本を読まなかったらインサイダー取引をしたという悪い印象のまま、村上氏に対してあまりいイメージを持たなかったでしょう。しかしそれは投資家という視点から見れば間違いだったと気付きました。

今でも村上ファンド事件当時の印象のままの人もかなりいることでしょう。そういう人にもぜひ一度読んでもらって、どこに真実があるのかを自分の頭で考える。

そして巷にあふれているフェイクや印象操作をまずは疑い、うかつに簡単には信じないようにする。そんな機会を与えてくれる良書です。