【書評】イノベーションと起業家精神

イノベーションと起業家精神

P.F.ドラッカー 著
上田惇生 訳

同じくドラッカーの著書である『マネジメント 基本と原則』のイノベーションの部分が更に詳しく説明されている
イノベーションとは企業の新陳代謝に必要なものであるということがわかった

おすすめ度 ☆☆☆☆

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イノベーションは企業の新陳代謝に必要

よくいろいろなところからイノベーション、イノベーションと聞きますが、そもそもイノベーションとは何かわかりませんでした。この本を読むまでは、ただなんとなく響きがかっこいいから使われているんじゃないかというイメージを持っていました。

ドラッカーはイノベーションを企業家の存続と成長のために必要なものだと書いています。

企業の存在する目的は社会のニーズに求められている活動をすることです。そしてその事業活動を続けていくためには、利益を上げながら新しいことに挑戦し続けなければいけません。

時代ともに社会のニーズは常に変化していき、企業の提供する商品は陳腐化してゆきます。大企業が衰退していくのは、成長するための努力をせずに守りに入ってしまうからです。そんな保守的な企業は昔の成功に囚われ、新しく起こっている現象を受け入れることができずに時代遅れになっていくのです。

そのためには現状をよく観察し、何が起こっているかを分析し、長い目で先を見通し、新しいことにチャレンジしていかなければいけません。それはまるで企業の新陳代謝のようです。われわれ人間も含め生物は古くなった組織や細胞を捨て、新しい組織や細胞に作り変えることで生命活動の維持と成長をしています。企業は生命ではないので、イノベーションという新陳代謝を企業家が意識しなければ企業活動は維持できず衰退しやがて死んでしまいます。

このようにイノベーションを常に意識することは、すべての企業家に必須であることがこの本を読んでわかりました。

イノベーションも起業家精神も企業戦略も根は同じ

本書の後半において起業家精神や企業戦略についても書いてありますが、その根本にあるものは同じだと感じました。注目している箇所は違えど、企業の社会貢献、企業の成長と存続において様々な角度から必要なことが書かれています。このうちどれか一つを覚えれば万全というものではなく、すべてを俯瞰し未来を見通しながら企業活動をマネジメントしていく。それこそが企業家にとって必要なことだと感じました。

今現在は残念ながら日本の企業、とくに大企業とよばれる会社にはそういう意識をもった経営者が少ないように感じます。創業者が経営から退いてしまったらイノベーション意識を持たない雇われ社長が守りに入ってしまい、ゆっくりと衰退していくという会社もちらほらみえます。そういう会社は社会のニーズに目を向けることなく、自分たちの立場を護ることのみに執着しています。そんな会社の雰囲気では新しいことにチャレンジできず、最悪の場合粉飾にチャレンジしてしまうことになります。

そんな事態に陥らないために、正しい企業家に必須なことが書いてある良書というという感想を持ちました。

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