サイコパスに学ぶ成功法則
あなたの内なるサイコパスを目覚めさせる方法
ケヴィン・ダットン+アンディ・マクナブ 著
木下栄子 訳
The Good Psychopath’s Guide to Success
How to Use Your Inner Psychopath to Get the Most Out of Life
- 誰もが持ち得るサイコパス性を利用して人生を向上させる内容
おすすめ度 ☆☆☆
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タイトルは過激だけど中身は普通の自己啓発本
最初にこの本を見たときにびっくりしました。平積みにされている本のカバーは嫌でも目を引く黄色、そこに書かれているサイコパスという文字。そしてさらに続く成功方法。サイコパスと成功、どうやったらこのふたつが結びつくのか謎です。
気になったので手にとってパラパラとページをめくって内容を確かめました。ざっと目を通したところ、どうやら読者をサイコパスにしてしまうような内容ではなさそうだったのでそのままレジで購入しました。
サイコパスをコントロールして利用する
サイコパスというとどういうイメージを持つでしょうか。人を殺すことをなんとも思っていない殺人鬼。空気を読まず人を傷つける言葉がポンポン口から飛び出してくる無神経な人。などなど。
本書はそれは悪いサイコパスであり、反対に良いサイコパスもあると書いています。良いサイコパスとは感情に流されず自分のやることをだけに集中できる仕事、たとえば脳外科医や特殊部隊の隊員、そしてジェームズ・ボンド。
良いサイコパスと悪いサイコパスで違うのは感情や判断力のコントロールスイッチの加減の差です。つまり良いサイコパスも悪いサイコパスも感情や判断力のコントロールスイッチの加減で決まるのです。
誰でも強いか弱いだけでサイコパスの資質は持っています。サイコパスがコントロールできるなら良いサイコパスの部分だけを利用すれば、人生を成功に導くこともできるようになるのです。
というのが本書の大まかな内容です。サイコパスをモチーフにした、いたってまともな自己啓発本という感想です。
ユーモアに溢れ堅苦しくなく読みやすい1冊
とても気に入った箇所があったのでそれを引用します。
寒い嵐の夜にツーシーターの車を運転していたあなたは、以下の三人が帰宅しようとバス停で待っているのに気づいた。
明らかに具合が悪そうで、病院に連れて行く必要のある、かなり高齢のおばあさん
かつて自分の命を救ってくれた旧友
あなたが何年も夢見てたような運命の相手車にはあと一人しか乗せられない。あなたなら誰を選ぶ?
これは投資銀行で働く人の独創性や自発性を見るためのテストだそうです。答えはまさにサイコパスという内容で、わたしはあまりのブラックさに苦笑いさせられてしまいました。質問の答えが知りたくなった人は書店へ急ぎましょう。
このようなユーモアに溢れる文章が多く、読んでいて飽きないのでとても読みやすい本です。面白そうだなと思ったら一読することをぜひおすすめします。
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